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多くの看護学校では、学生が特定の科目を修了して臨床実習に出る前に、ひとりひとりにキャンドルが手渡され、ナースキャップを被せてもらう戴帽式を行っています。このキャンドルは、ナイチンゲールがキャンドルを灯しながら戦場のけが人のケアをしたことに因んでいますが、キャンドルの炎は人の命や温かさの象徴のようでもあり、ナイチンゲールの心を受け継ぐ看護師は、いつの時代も体のケアだけでなく、健康を損ない不安な気持ちでいる人の心の支えとなる存在であり続けています。
そして看護学とは、生まれてから死を迎えるまでに直面する健康のあらゆる問題を当事者が解決しようとするプロセスを支援するための学問です。つまり看護は、病気や怪我の治療過程に関わりそのための専門知識をもつだけでなく、看護の対象となる人々の生活環境や文化的背景、人間の発達に伴った社会・心理学的変化などの理解を通して、相手の人間性を尊重し、自らも豊かな人間性を育んでいける仕事であると言えます。看護の専門技術は、幅広い人間理解と科学的な理論を基盤とし、豊富な演習や実習を経験しながら培われていきます。
看護系の専門学校や短大・大学は、看護師養成を目的としたものであり、そのため、看護師養成の学校・学部・学科で学ぶ内容は全て看護に必要なものとなっています。また看護学の研究も、患者さんにとってよりよい看護を提供するためのものとなります。
看護の専門科目としては、まず基礎として、人間の体内で起こる仕組みを学ぶための解剖生理学や、体内の化学的な反応を学ぶ生化学、健康と栄養の関係を学ぶ栄養学、遺伝と病気との関係を学ぶ遺伝学、薬が体内でどう効き、どんな副作用があるか等を学ぶ薬理学、病気になった臓器や組織の構造や機能について勉強する病理学、さまざまな病気の概要を学ぶ疾患学、臨床検査の手法、病気を引き起こす微生物について、公衆衛生について、社会福祉や医療に関係する法律などを学びます。さらに、具体的な看護の理論や手法を学び、その上に在宅看護、成人看護、老年看護、小児看護、母性看護、精神看護というように、看護する相手の状況にあわせた看護について学びます。癌や死を迎える準備をしながら闘病する患者さんの看護など、特別な配慮を必要とする患者さんに対しての看護法もあります。こうした理論と手法を学びながら、臨床実習を経て看護師の国家試験に受かると、看護師として病院等で働くことになります。
さらに、人の理解につながるような、心理学や社会学等の教養科目も設置されています。
最近では医療技術が高度化し、看護の専門家として医師や薬剤師、検査技師等とともに患者さんの治療にのぞむチーム医療が普及したことで、看護師にはよりいっそうの専門性が求められるようになりました。看護大学の増加も、こうした状況を受けてのことです。さらに、高齢化社会や、医療技術の進歩により医師の指導を受けながら自宅で療養する在宅医療も増えています。つまり看護師の活躍の場は病院内だけでなく社会へと大きく広がっているのです。こうした動きにともない、社会における看護師の役割は、ますます重要になっています。
なお、看護師の資格に加え、必要な勉強をして資格をとることによって、女性の妊娠、出産、産褥のケアを行い、出産を介助する助産師、地域や職場の保健指導を行う保健師になることができます。
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