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■ 材料工学

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私たちの身の回りにはさまざまな物があり、それらはさまざまな材料で作られています。そして材料は、地球上にある物質を利用して作られていますが、木材や石材を別にすれば、物質はそのままではなく人の手が加えられ、利用するのに適した材料に加工されています。たとえば鉄鉱石は製錬して必要に応じてほかの金属と合金されて利用され、原油はプラスチックや化学繊維などに合成されて活用て使われています。この材料について研究するのが、材料工学です。

材料には大きくわけて、鉄などの金属、セラミックスなどの無機物質、プラスチックなどの有機物質があり、さらにこれらの複合材料があります。材料にはそれぞれ特徴があり、私たちはこの性質にしたがって、さまざまなものに利用しています。たとえば鉄道のレールは、重たい車体が何度通っても劣化しない強度が求められますし、電線には電導率の高いもの、電線の周りを巻くのは電気を通さない絶縁体、コンピュータの集積回路には半導体というように、導電性も材料の大切な要素のひとつです。プラスチック容器も、食品を入れて冷凍したり、電子レンジで温めたりすることを考えると低温や高温に強い性質が必要です。ほかに、磁性、粘性、光の透過性や反射性など材料にはさまざまな性質があります。
こうした性質は、その材料をつくる物質が通常の状態でもっているものだけでなく、2種類以上の物質を混ぜ合わせたとき、個体・液体・気体あるいはその中間、炭素とダイヤモンドでは色も固さも違うように結晶の状態、物質を利用する温度、材料の作製法などさまざまな要因によって決まります。材料工学では、こうした要因と材料に出現する新しい性質や機能を解明し、それをもとにした、新しい材料の開発を目指しています。

最近注目されている新材料をいくつか紹介すると、アモルファス金属は、金属を溶かして非結晶状態にし、そのまま急激に冷却した素材で、太陽電池の材料として注目されています。生体材料は、医療目的で人間の体の中に移植されて使うための材料で、人工歯をはじめ人工関節や人工心臓などの材料として注目されています。人には免疫反応があるため、生体に適合し、毒性がないことが大切です。プラスチックはさまざまな形に加工できる便利な材料ですが、自然分解されることがないため、ゴミ問題の要因となるなど環境負荷が大きいことが問題となっています。そこで微生物が生産する物質や、植物や動物に含まれる成分(カニやエビの甲羅など)を利用した、微生物が分解できる生分解性プラスチックの開発もされています。
ほかにもまだまだ科学技術の粋を結集した、これからの社会を支える新材料の開発が進んでいます。

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