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医療の世界では、病気や怪我などによって健康が損なわれたとき、手術で悪い部分を除去したり、薬によって体の機能を正常に戻そうとしたりするなど、さまざまな治療行為が行われています。そうした治療や治療を助ける手段のひとつに、コンピュータや機械を用いた診断や、特殊な専門機器を使うことによるより高度な医療行為、人工的に作った組織や臓器を使うなど、工学の技術を応用することがあります。その技術について研究・開発するのが、医用生体工学です。
たとえば、人工臓器の開発に当たっては、人間の身体の中に入れて機能させるものだという認識が不可欠です。使われる材料は人体にとって負担の少ないものでなくてはならず、実際の臓器により近いものであることが求められます。そのためには、人間の身体の組織や、最先端の材料を熟知することも大切です。
また、自分の細胞を培養して人工皮膚や臓器を作ったり、人の大きさに近い豚の肝臓を利用しようとするなど、生命科学や、特にバイオテクノロジーの成果を活用した研究も進んでいます。
さらに、検査のための精密機器や、人工呼吸器装置などの生命維持のために重大な役割を担う装置、リハビリテーションを行なうための各種装置など、医療に関連する各機器の開発もこの分野のテーマになります。
また、現在医療の分野で注目を集めているもののひとつに、インテリジェント材料や医療用ロボットの開発があります。
インテリジェント材料は知能材料とも呼ばれており、その材料に何らかの外的な変化が生じた場合、材料そのものが変化に対応できるという、画期的な機能を持っています。たとえば癒着しやすい場所を手術した際に、ある温度以上になるとドロドロしたゲル状に変化するインテリジェント材料を使い、癒着そのものを阻止するなどがあります。
医療用ロボットとは手術を行う際に使われるコンピュータを搭載した機械のことです。たとえば人間の目の機能を支援する優れた画像処理能力を持つ器械や、手術中に人間の手以上に微細な動作ができる機械などがこれに当たります。こうした「ロボット」を使うことで、人間だけで行なう以上に、より精密で的確な手術が可能になるのです。
以上のように医学と工学とを融合させた学問は、この数年来目覚ましい発展を遂げています。工学部の中にあることがほとんどですが、人工臓器の開発などは、生命科学・生命工学の領域に近い学分野でもあります。
関連ジャンルとしては、医学や歯学といった医療関連の学問、材料工学、生物学や生命科学などがあります。
■ 医用生体工学に関連する学問
| 生命科学 | 生物学 | 材料工学 | 医学 | 歯学 |
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