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哲学ってなんだ―自分と社会を知る (岩波ジュニア新書)
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哲学ってなんだ―自分と社会を知る (岩波ジュニア新書)
それでもやっぱり難しいという人のための入門書。ほかに何冊か哲学入門書を書いたが(『自分を知るための哲学入門』『はじめての現象学』など)、この本のツボは、ギリシャ哲学のシーンから、哲学という方法の基本ルールを取り出して示してあること。
哲学は「世界説明」の方法として、まず「宗教」から区別されること。宗教は主として「物語」を使うが、哲学の世界説明は三つの基本ルールをもつ。(1)「物語」ではなく「概念」を(論理的に)使う。(2)思考の始発点として「原理」(キーワード)を提示する。(3)矛盾が生じたときには再始発する。これはもちろん東西の哲学に当てはまる。こう書くと簡単だが、この方法を取ったことの射程(意義)はきわめて広く深い。このことで、哲学は、共同体の枠組みを出て、誰でもそれに参加できる普遍的な言語ゲームになった。また隠された真理をみなで探求する「真理の言語ゲーム」ではなく、つねにより多くの人が納得できる説明方式を作り出す「普遍性の言語ゲーム」になった。そして、もう一つ言うと、いまでも、この方法が自然科学の方法のいちばん深い基礎をなしているということである。
哲学は独自の本質的方法をもっている。これが理解されないと、哲学は難解な言葉をあやつることができる少数の人間の知的遊戯になってしまう(形而上学)。またこの方法によって哲学は、単に「事実」を認識する思考法ではなく、人間を「了解」する思考法となったのだ。
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