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幾何学基礎論
数学科を選んで大学に進学して「想像していたものと違い、期待はずれだった」と考える人が案外多い。この主な原因は、要するにそれまで習ってきた数学と、数学者の考える数学というものが全く違うからだと考えられる。高校までは、数学とはどちらかというと問題を解く道具立てであり、ゲーム感覚で与えられた問題がすぐに解けるようなイメージを持っている人が多いのではないだろうか。一方数学者にとっての数学とは、むしろ解などないかもしれない問題について考えることであり、数学にとってより本質的なことへ向けて非常に抽象度の高い思考を繰り返すことに他ならない。
本書は、最も重要な数学者の一人であるヒルベルトが、彼の「公理」という考え方で新しい数学を建設していく方法を、自ら綴ったものだ。訳者の解説にあるように、そのうちのいくつかは年代を下っても未解決に留まっており、数学のフロンティアが垣間見える。またおしまいにヒルベルトの講義ノートが添えられており、彼がいかによく物理学や論理学などの分野を理解し、これらに彼の数学的な考え方が適用できると考えていたかがわかる点も興味ぶかい。
だから本当に数学に向いているのは「考える人」なのである。問題が速く解けないからといって、数学科をあきらめるには及ばない。
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