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べんりな変分原理
地点Aから地点Bまで行くのに最も近道を選ぶとしたら、どんなルートだろうか。もし何も障害物がなければ、2点間を直線でつないだ道を行くのが一番近道だということを私たちは知っている。しかし、山あり谷ありといった地形を進んでいかなければならないとなれば、問題はそう簡単ではなくなるだろう。このような問題を数学的に記述し、近道を見つける方法が変分法である。
では変分法という方法をもう少し理解するために、まず変数が一つの場合の関数をグラフに表した様子を思い浮かべてみよう。グラフの曲線のなかに山になったり谷になったりしている部分があれば、その頂または底になっているのが「極値」と呼ばれる点である。「極値」においては、変数の変化に対して、関数値の変動がゼロになるという特徴があり、さまざまな場面で、この点がどこに現れるかという問いが焦点となることが多い。そして実際に扱いたい問題はもっと複雑であるため、1変数の関数ではなく、関数の関数つまり「汎関数」において値の変化を見ようというのが変分法だ。物理学はもちろん経済学や情報科学など広く科学に役立つ数学的道具だと言えよう。
本書は、このように広く科学を志す方に「べんりな」変分法に注目して、比較的やさしい例から説き起こしている。さまざまな例を用いてその概念のエッセンスを活き活きと展開してくれるのが愉しい。
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