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人類進化の空白を探る
現役の古人類学者から最高の語り手を選ぶなら、この本の著者二人(ちなみに二人は夫婦である)をあげる。この本は、机に向かったウォーカーが記憶をたどり独白するような語り口でつづられている。彼ほどアフリカの古人類学に広く深く精通した研究者を私は他に知らない。話の舞台はめまぐるしく、しかし驚くほど巧妙に移り変わる。彼の学生時代、アフリカの旅、驚くべきリーキー一家、1984年の「大発見」、ボルチモアの同僚たち、「ミッシング・リンク」を求めてきた先人たちとそのアジアへの旅。「ミッシング・リンク」とは、簡単に言えば、人類とその祖先をつなぐ未発見の化石だが、その深い意味をここに限られた字数で説明するのは不可能である。しかし、この本を読めば、その意味と古人類学者が憑かれたように「ミッシング・リンク」を求める理由を理解できるだろう。一流の研究者が上等の人類化石からその行動や生物学的特徴を鮮やかに復元していく方法に魅了されるかもしれない。しかし、この本を薦める最大の理由は、学説や研究史の解説書として優れているからではない。この本を読むことでウォーカーという希有な人類学者の内面に触れることができるからである。
ところで、この著者たちは最近「The Ape in the Tree」という本を出版した。「ミッシング・リンク」の類人猿版である。いずれ邦訳されるだろうが、こちらも薦めたい。
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