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リサイクル文明が求める原子力―その全体像と長期展望
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リサイクル文明が求める原子力―その全体像と長期展望
本書は、前原子力委員長であった著者が、今後の原子力のあるべき姿と長期展望をまとめたものである。原子力発電は、安全性・高レベル廃棄物・核拡散などの問題もあり、社会的に厳しい状況に置かれている。ただし20世紀後半から、地球規模での環 境問題が顕在化してきたこともあり、CO2排出量が極めて少ないエネルギー資源である原子力を再評価する機運も高まってきている。
著者は地球規模での環境問題との関連において原子力の今後のあり方を総合科学技術の一環として、より高い立場から捉えようとしている。具体的には、リサイクル・ゼロリリースの観点において整合性のある原子力システムを提唱している。ここでは 高速増殖炉の開発と核燃料サイクルの確立が根幹であるが、これはまさに日本の原子力委員会が平成17年10月に出した原子力政策大綱に相通じるものである。
原子力発電が抱えている今日的な問題を判りやすく解説しており、原子力の是々非々を科学的に議論する上で大変参考になる。また約20億年前にアフリカで天然の原子炉が存在していた事がわかっている。著者は、これを引き合いに出して、高レベル廃棄物の長期隔離の可能性など、まさに天然の原子力から学ぶことが多くあると言及している点などは興味深い。
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