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政治家の条件―イギリス、EC、日本
日本国憲法には、労働は義務であると定められている。なぜか。史上、職業を人間の義務と考えた教えは、キリスト教のプロテスタントによって確立された。それはルターに遡る。職業というドイツ語「ベルーフ」には、「神に召される」という意味があり、職業は天職と同義なのである。ここから、宗教社会学者マックス・ウェーバーという人は、近代社会において政治家を天職とする者にはどんな条件が必要かを考察した。
本書は、そのウェーバーの学説が日本で正しく理解されていないことを憂いて、具体例を示しつつ説得的に論じたもので、近代西欧を成立させた人間観を知る上で恰好の手引きである。近代の職業人には二つのエートス(倫理的態度)が求められている。一つは「責任倫理」、理性的に目標を設定し、それにいたる手段を理性的に判断して計画的に実行する態度である。キーワードは理性。もう一つは「信条倫理」で、何を目標にするかは、その人が人生においてなにに価値を置いているかによって違ってくる。そこにその人の価値観が現れるのであり、それをなんとしてもやり遂げようとする強い信念が求められる。キーワードは信念である。私なりに説明を補うと、この二つの倫理的態度は、近代西欧を生み出した二つの思想潮流に由来するものである。啓蒙主義とロマン主義である。いずれも、人間に生きる方向性を与える思想であり、広い意味での宗教に根ざしていることがわかろう。
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