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かごしま海の研究室だより
タイトルには「かごしま」の文字、著者は一地方大学の一教員。されど全国の方々にご一読いただきたい。手前味噌で恐縮だが、本書を読めば「海に出てみたい!」「魚を調べてみたい!」「水産学部に進学したい!」という気持ちを抑えられなくなるに違いない。
著者が日々通う鹿児島湾(錦江湾)やその周辺海域が主な舞台であるとはいえ、水産のもつ地域特異性や、それが故の問題点について考えるヒントがかくれている。水産資源、そして食材として私たちのお腹に入る魚介類の、生物としての生態のすばらしさ、彼らを漁獲することで生計を立てる漁業者の技、水産学を学ぶ大学生の生活の様子などについて、豊富なカラー写真とともに紹介されている本書は、読書が苦手な人でも無理なく読めるはずである。
半閉鎖的内湾でありながら水深200m以上の深海部分をもつ鹿児島湾の不思議、そこで暮らす深海魚たちの素顔、黒潮に命をゆだねる生物、干潟を守ることの重要性。これらについて、他の文献の引用ではなく著者自身による野外調査や実験、分析によって得られたオリジナルのデータや情報に基づいて執筆された“責任感のある1冊”であることが、本書の最も大きな特徴である。
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