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歴史 ― HISTORY
3冊目は一転して洋物で、「1冊でわかる」というイギリスの素人相手の入門シリーズの1冊を日本語に訳したものである。
歴史学ってどんな学問であろうか、という設問に答えるのは実はたいへんむずかしいので、そういった内容を持つ本、ないしは持つと称する本を読むと、たいていは失望する。しかしこの本は、おもしろい。ウソだと思うなら読んでご覧なさい。書物のなかに登場する人物や出来事、事件といった事例は、それはイギリスの本だから西洋史にかんするものである。皆さんにはあまりなじみのないカタカナの名前も少なくないかもしれない。私だって知らなかったなあという話が多いのであるから、皆さんが知らなくたって当たり前。しかし、なんのために引っ張りだされている話なのか、ということは素直に筋が読み取れるはずであるから、カタカナ拒否症など起こさないで読んでみられるとよい。のっけから「これは本当にあった物語である」と始まる第1章のタイトルが「殺人と歴史」だなんて、不思議に魅力的とは思いませんか。しかもあつかわれているのは、歴史にとっての事実とはなにか、歴史は何を根拠にして語りうるのか、というたいへん根本的な問題なのである。
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