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■ 食物学

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今、空前の健康ブームと言われています。TVでは毎日のように、健康と食べ物に関連する番組が放映されています。また、狂牛病、鶏インフルエンザといった家畜の病気など、食品の安全面を脅かす報道も続けて起こりました。このように「食と健康」についての関心が年々高まっているのと同時に、さまざまな問題も起こっています。
私たち人間の健康を考えるときに、必ず頭に入れておかなくてはならないのが、毎日の食事をどうするかということです。食べ物に含まれている栄養のバランスを考えつつ、身体にとってバランスよい食べ方をしなければ、生き物である私たちの健康は損なわれてしまうのです。加えてせっかく食べるのであれば、見た目にも味もおいしいものがベストです。こうした栄養と調理の両面から、食べ物について研究するのが「食物学」になります。

「食物学」では、まず実際に営まれている生活を捉らえた上で、食品を安全に加工・保存・流通したり、食べ物を調理する方法や、栄養価が高くバランスのいい食生活を行うための研究を、グローバルな視点から行ないます。そのため主に「食品学」「栄養学」「調理学」の3分野を中心に、人間と食に関するさまざまな学問を学ぶことになります。理論を学ぶだけでなく、実際に食品の成分や貯蔵方法について実験を行ったり、調理実習を行うなど、実験・実習が多く取り入れられているのが特徴です。

「食品学」の分野では主に食品の安全面に関連したことを学びます。食品を安全に取り扱ったり管理する方法を学ぶ「食品衛生学」、食品を安全に加工するための技術を研究する「食品加工学」、味噌やヨーグルトといった発酵食品や、白カビや青カビのチーズといった、食品に関連する微生物について学ぶ「食品微生物学」、冷凍や密封など食品を貯蔵するための理論や方法について学ぶ「貯蔵学」などがあります。
それぞれの食品に含まれる栄養素について学ぶジャンルが「栄養学」になります。とはいっても、ただ栄養素に詳しくなるだけでなく、実際にどのように食べれば元気で健康な身体を作ることができるのかなど、実践的な内容も含まれています。たとえば「食生態学」では現在の日本人がどのような食生活を送っているかを調査したり、偏食などの問題についても考えます。実際に栄養指導をする際の方法について学ぶ「栄養指導論」、栄養バランスと病気との関係や病気を予防するための正しい食生活、病気の際の食事療法について学ぶ「臨床栄養学」などがテーマになります。

「調理学」では調理方法について、実習を中心に授業が進められます。「調理実習」を通しておいしい料理を効率よくバランスよく作る方法を学ぶだけでなく、「調理化学」などの実験で、熱に強いとか冷凍することができないなどの各食品の特性や、甘い、辛い、酸っぱいといった味のバランスを科学的に捉らえる能力も養います。

以上の3分野以外でも、人間の身体の仕組みについて知るための「解剖生理学」「生化学実験」「生体分子代謝学」を学んだり、学校教育や社会教育の中で栄養指導するための「食教育実習」「給食管理実習」「栄養士実習」など実践的な内容も学びます。

「食物学」を学べるのは、家政学部系の食品学関連学科や、教育学の中の生活系の学科、農学部系の食品学、醸造学などの学科になります。
食べ物の成分は、生活習慣病やガンなどの病気との関連でも重要です。また、高齢化社会を迎えるにあたってお年寄りの栄養や、幼児生活習慣病の増加問題など、年齢に関わらず身体によい食事の取り方は重要な課題となっています。平成17年には食育基本法案が国会に提出され、今年のキーワードは「食育」とも言われています。「食育」とは、「どのように食べることが身体にいいことなのかを教育すること」になりますが、まさにこのエキスパートを育成するのが「食物学」になるのです。今後、地域社会や学校、家庭などに向けて、食の専門家である栄養士の役割が重要になるだけでなく、新しい指導システムもさまざまに模索されています。

■ 食物学に関連する学問

| 生命科学 | 生物学 | 農学 |

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