|
印刷用画面
人間の生活の中にある「家庭生活」そのものにスポットを当てる学問が、この分野です。以前は、衣食住といった暮らしに関連する問題を踏まえた上で、親子や夫婦、兄弟などの家族からなる家庭をどのように運営して行けば快適に暮らすことができるかを考える「家庭生活中心」の学問だったため「家政学」と呼ばれていました。
実は最近「家政学」は「生活科学」という名称に変わってきています。
現代社会では「家庭生活上の問題」が単に家庭内に留まらず、社会のさまざまな変化が、家庭に多くの影響を与えることが増えてきました。また今後は地域社会と家庭が密接な関わりを持つことの重要性が強く言われるようになっています。そのため、こうした社会や地域と家庭との関係を密に考え、「生活そのもの」中心に捉らえて研究する必要が生じたのです。そのため「家政学」ではなく「生活科学」という名称に変更されるようになりました。
学ぶ分野は生活に関連する内容全般になります。衣食住に関する「被服学」「食品学」「住居学」はもちろん、子育てに関連した「児童学」も扱います。こうした基本的な学問に加え、「家庭経済学」など家計を健全に運用するための基本能力も培います。その上で、生活をより豊かにしていくためには、どのように考えればいいのかといった、専門分野も学びます。
専門分野としては、「生活経営学」「家族社会学」「生活福祉学」「家族関係学」「生活環境学」「消費生活論」などがあります。
「生活経営学」では家庭生活をどのように経営していけばいいのかを研究します。複雑な社会だけに家族の生活リズムが違うのが当たり前となった現代の家庭生活で、家族がどのように生活していくべきかや、家庭経済のあり方などを学びます。
「家族社会学」では、変貌を続ける家族形態について考察します。少子化や高齢化社会、結婚をしないで一人暮らしをする男女が増加しているなどの社会背景を鑑みつつ、家族のあり方について学びます。
現代社会の状況を踏まえた上で、福祉の問題について研究を行なうのが「生活福祉学」です。今の社会で幸福に暮らすとはどういうことかや、乳幼児から高齢者まで、世代ごとの福祉の問題を考えつつ、人々が暮らしやすい社会や、家庭の中では何ができるのかについて学びます。
家族に関する現象や、家族間で起きやすい問題を扱うのが「家族関係学」です。現代社会では家族関係がどのように構築されているかを考えるとともに、家族スタイルの違いごとに、家族がお互いどのように関わり合うべきかを学びます。
「生活環境学」では、家庭を取り巻く生活環境について研究します。衣食住のような身近な環境のあり方から、家庭ゴミや生活排水と地球温暖化や水質汚濁との関係など、社会的にも大きな環境問題も扱います。
「消費生活学」では、消費生活の歴史や現状を踏まえた上で、現代社会が抱える消費者問題や消費者教育の方法までを考えていきます。たとえば訪問販売でいらないものを購入してしまったという悩みや、2005年4月にスタートした、銀行が破綻した場合に預金保護に制限が出る「ペイオフ解禁」もこの分野で扱います。
以上のように「家政学・生活科学」が扱うジャンルは多岐に渡ります。今後も家庭を取り巻く状況は複雑化の一途をたどることでしょう。それだけに一人一人がどのように生活をすべきかや、家族のあり方をよりいっそう真剣に考えるべき時代が到来したと言えるのです。いつの時代も、家族は人間にとって最初にその一員となる社会です。家庭についてしっかり学ぶことは、社会生活を送る上でもとても貴重なことです。
「家政学・生活科学」が学べるのは、主に家政・生活科学関連の学部や教育学部の生活科関連になります。また経済学関連や社会学関連の学部の一部でも「家族学」「生活学」「生活経済」などを学べるフィールドが用意されています。
■ 家政学・生活科学に関連する学問
| 経済学 | 社会学 |
■ 他の分野の学問ナビを読む
|