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■ 林学

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人類は、古来より森林から多くの恵みを受けて生活してきました。林学とは、私たちに恵みをもたらしてくれる森や林に関わる全ての事柄について研究する学問です。特に国土の約7割が山林で占められている日本にとって、林学は重要な学問です。

そして林学には、さまざまな研究対象やアプローチ法があります。たとえば木を育てるには、木の成育、病虫害、土壌、山の管理等さまざまな研究が必要です。また、森には木だけでなく、山の動物、昆虫、植物、きのこなどの菌類、微生物などさまざまな生物が棲み、生態系を作っています。こうした森に棲む生物の研究や森林の生態系の研究も林学の研究対象であり、生物学や生命科学とは深い関連があります。
また、林学には用途に応じてどんな木を使うのが適しているかや、木の強度の研究、木を使った新しい材料の開発など工学的なアプローチもありますし、「森に木が生えていることで森は水を貯え土砂崩れや洪水が防がれている」といったような山の機能の解明も林学の研究対象です。
さらに現在、木の大量伐採によって熱帯雨林が減少し大気中のCO2が増加したため、地球温暖化の大きな要因となっていると考えられています。森林と地球環境に関わる問題を研究するのも林学の仕事であり、世界的な研究プロジェクトが組まれています。
また林学では、山林に関する政策や林業の経営といった、政治学・経済学・経営学の視点からのアプローチも必要です。

たとえばみなさんの中には、春になるとすぎの花粉による花粉症に苦しんでいる人もいると思います。これは実は、戦後の復興時に建材として杉を大量に植える政策をとったにも関わらず、杉が育った今、杉材の需要が少ないという見通しの失敗が原因なのです。
また現在、海外からの安い輸入材に押され日本の林業経営は困難になっています。しかし経営が困難だからといって一度山林を放置すると、木は何十年もかけて育ちますから、ふたたび元通りになるまでに長い年月がかかります。つまり林学では遠い将来のことを視野に入れた上で政策や経営を考えなくてはなりません。

以上のように林学は、私たちの暮らしと地球環境を支える学問なのです。

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