|
印刷用画面
企業経営に必要な資源は「人・金・物」、すなわち人材と、経営資金、設備であると言われます。それに加え近年は第四の資源として「情報」が加わるようになりました。企業は、こうした資源の効率的な運用=経営を行うことで、利益の最大化を目指すことになります。しかし企業規模の拡大や、商品の生産過程の複雑化、消費者の嗜好の多様化やきめ細かな販売戦略が求められるなど社会の複雑化にともない、経営者の経営理念や、管理職や労働者の経験の蓄積だけでなく、科学的な根拠にのっとった経営が求められるようになりました。つまり統計をとって分析をするなどした上で導き出された結果に基づく経営です。そして経営工学とは、数理的な手法や情報処理技術を使って、最適な手法や数値を導き出し、企業経営の助けとするための学問です。
経営工学のはじまりは、工場で生産性を上げるための手法の開発から始まりました。作業手順によって効率が異なることは誰もが経験していることでしょう。また、数値目標があれば人は目標にむかって頑張ることができますが、その目標が高すぎれば逆にやる気をなくしてしまいます。ベルトコンベアーの流れ作業も、早すぎれば作業が追いつきませんし、遅ければ能率が悪くなります。こうした諸要素の適正値を統計等の根拠に基づいて設定することは、経営にとって非常に大切です。
さらに、1日の来客数に応じたレジやキャッシュディスペンサーの数(少なければ顧客のストレスがたまり、多すぎれば無駄な設備投資になります)の設置を統計等から導き出したり、余計な在庫を抱えず、しかも発注があったときには速やかに対応できる在庫を準備する在庫管理、生産計画など、経営工学は販売面にも活用されるようになりました。
近年は、従業員の福利厚生や待遇(悪ければ勤労意欲が低下し、よすぎても経営資源の浪費になります)、企業のトップマネジメントにおける具体的な課題解決法の模索にも、経営工学を活用しようという動きが広がっています。
学びや研究の領域としては、品質管理、コスト管理、生産管理、環境管理などがあり、その手法としては、統計工学、情報工学、人間工学等があります。分析には特にコンピュータを駆使する情報工学が重要で、解決すべき課題の数理モデルを構築し、最適な手法を求めるオペレーションズ・リサーチ(OR)という分野は、経営工学の主要なテーマとなっています。さらに、コンピュータが人間の意思決定を助けるシステムの研究なども進められており、経営工学が活躍する範囲は今後さらに広がると予想されます。
経営工学は、大学により、経営学と深く関係するものの、数理情報やコンピュータを扱うことから、工学系学部に設置されていることがほとんどです。
■ 経営工学に関連する学問
| 経営学 | 情報(コンピュータ系) |
■ 他の分野の学問ナビを読む
|