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■ 応用物理・基礎工学

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超高速で計算するコンピュータ、光を使った通信技術、超伝導現象を利用したリニアモーターカー……、これら先端技術は物理学の知識や研究成果を応用して開発された技術です。このように、物理学を実際の技術に発展させるのが応用物理学の役割です。応用物理学は、名前からすると物理学の一分野のように思えますが、それよりも「理学」と「工学」の境界に位置する学問といったほうが適切です。理学は自然の真理を追究する学問の総称であり、自然科学とも呼ばれます。他方、工学はその自然科学の成果を社会で工業利用する手段を研究・開発する実学です。この2つのカテゴリーの接点に立つ応用物理学は、つまりは理学の1つである物理学の先端知識を応用し、社会に役立つ新技術を開発したり既存の技術を改良したりする学問です。この応用という部分に軸足がのっているため、物理学科が理学部に属するのに対して、多くの大学では応用物理学科は工学部に属しています。

そもそも物理学が研究対象とする領域が広いために、必然的に応用物理学の研究対象も多岐にわたります。そのなかでも現在は「物性の研究」「新材料の開発」「計測技術の開発」「情報処理技術の開発」の4つが主流となっています。
「物性の研究」は、さまざまな物質の性質を明らかにするだけでなく、その性質を制御するための研究です。対象も金属や半導体、磁性体などの"モノ"のみならず、電子や陽子、中性子といった量子にまで及びます。「新材料の開発」では、すぐれた性質を持つ新しい材料の発見・開発を行います。燃料電池用材料、高温超電導体、各種ナノ構造物質など、実現されればエネルギー問題をはじめとする社会の課題を解決するカギとなる新材料の開発に多くの研究機関がしのぎを削っています。「計測技術の開発」では、あらゆる物理量をより精密に計測する技術の開発・改良の研究が行われています。とくにレーザなど光を使った計測や画像解析技術が注目されています。「情報処理技術の開発」では、コンピュータを使った新しい情報処理技術や制御技術の開発を行っています。知能ロボットやマルチメディアの研究なども進められています。

以上のように、応用物理学は物理学の知見を工学的に応用するものですが、決して一方通行ではありません。たとえば、応用物理学の成果で生まれた計測技術が新しい現象を発見して物理学の理論に影響を与えることもあります。このように応用物理学は、理学と工学の間を双方向に橋渡しをする学問なのです。

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