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文化人類学とは、文化や社会の側面から、人間とは何かについて研究する学問です。これに対し、人類の進化や生物としての特徴から、人間について考えるのが自然人類学です。二足歩行をし、大脳新皮質の発達が著しいのは人間の特徴ですが、人間の脳が生み出した文化もまた、人間ならではのものでしょう。文化人類学では、世界のさまざまな民族の文化について比較研究することを通し、文化の個別性や普遍性を追求し、そこからさらに、人間とはどのようなものかを考えます。
文化人類学の研究対象は、文化人類学者の祖父江孝男先生による分類によると、●民族史、民族文化史 ●言語 ●自然環境、生業、衣食住、民具、技術、芸術など ●婚姻制度や家族・親族の構造、社会・政治・経済の仕組み、人間関係、さまざまな集団の成り立ち、慣習と制度など ●宗教・信仰・呪術・儀礼・祭礼など ●神話・伝説・民話など ●民謡・音楽・舞踏・劇など ●都市における諸問題、都市文化や文明の影響のよる変化など ●しつけや教育のしかた、人格形成と民族・国民性の特色、文化の変化と心理的適応、精神衛生など ●その他(映像、自分の住む世界の認識の仕方、民間医療等の医療等)、そしてフィールドワークなどの文化人類学研究の方法論と学説史研究が挙げられており(『文化人類学入門』中公新書 1979年)、ありとあらゆる分野が研究対象であることがわかります。
研究対象となる地域は、18世紀にヨーロッパの人びとが世界に進出するにあたり、彼らにとって珍しかった非ヨーロッパ地域の文化を研究することから始まりましたが、現在では、ヨーロッパやアメリカを含む、世界のあらゆる地域の文化が研究対象となっています。さらには、若者の集まる街、遊園地等々、あらゆる場所を研究対象とすることもできます(ただし、単なる「面白文化発見」は文化人類学ではありません)。
また、文化人類学では、文献等のみによって研究するのではなく(文献も読みます)、研究対象となる現地に行き、現地の言葉を習得し、できれば共に生活しながら、現地の生活を観察したり、地元の人に聞取り調査を行ったりして、その地域の文化や社会について、具体的、実証的に検証していきます。これをフィールドワークと言い、フィールドワークなくして文化人類学の研究をしたと言うことはできません。
なお、文化人類学と隣接する学問に「民俗学」があります。日本では、柳田邦男や折口信夫らによって始められた学問で、特定の地域の民族の、伝統的な文化、風俗、慣習などを研究するものです。日本においては、日本国内を対象に研究することが多いようです。なお、文化人類学と民俗学を合わせて文化人類学として学科やコースをもつ大学も多く見られます。
■ 文化人類学に関連する学問
| 地域研究 | 国際(社会系) |
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