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女性芸能の源流―傀儡子・曲舞・白拍子
中世は芸能の時代。「忘れられてしまった女芸能者たちが、豊かに彩った中世芸能の世界を掘り起こしたい」という切なる願いから、中世の女性芸能の全体像を丹念かつコンパクトにまとめた好著。有名な静御前や仏・祇王をはじめ、中世の文学作品にはしばしば女芸能者が登場し、作品世界に彩りを与えているが、彼女らが姿を消してしまった現在、その具体的なイメージは非常につかみにくい。巫女・傀儡女(くぐつめ)・遊女・白拍子・曲舞女など、一般にはあまり馴染みのない女性芸能者の姿や彼女らが担っていた役割を、残された数少ない史料を読み解き、さらには説話や能などの文学作品をも手がかりにして、実に鮮やかに描き出すことに成功している。
日本中世史・女性史そして芸能史研究の第一線で活躍しておられる脇田氏は、史料と文学作品との間を自由自在に行き来して、読者を豊かで活気に満ちた中世女性芸能者の世界へと誘ってくれる。六歳から仕舞の稽古を初め、今やしばしば演能もなさっているご自身もまた、「女芸能者」のひとりであると言ってよいのかもしれない。ややもすると概説的な内容に終始してしまいがちなテーマであるが、本書にはそんな脇田氏の、中世女性芸能者たちに対する共感と愛情があふれている。
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