|
システムのはなし―複雑化・多様化へのチャレンジ
普段の話し言葉の中にシステムという言葉がよくでてくる。「それは、システムが悪いからだ」、「システマティックに説明してみよ」などである。システムとは、「多くの要素が互いに関連を持ちながら、全体として共通の目的を達成するために整然と秩序づけられている集合体」と本書で説明されている。機器や環境、社会が複雑・多様化するに従い、システムの概念・手法が重要になる。物事を単眼的に見るのでなく、いろいろな要素からなる集合を、分析し、そして、それを目的に対して、有効に機能するように設計することが大切である。生産システムの合理的設計に関係する学問がシステム工学であるが、本書は、システムの概念が平易に説明された、システム工学の入門書として最適な良書である。
本書は、複雑さと多様化を含んだシステム概念をまず述べ、そして、システムの誕生に関して、首都圏の通勤輸送システムの設計を例にとり、わかりやすく説明している。まず、システム研究を行い、システム合成、システム分析、システム試作、システム設計、と進みシステムを誕生させること述べており、そのときシステム工学が重要な役割を果たし、それは、焼き鳥の串であると述べている。次に、システムを生み出す技術として、システム工学があり、それは、システムのモデル化手法とコンピュータシミュレーション技術、システムの最適化手法、効用と意思決定に関する工学手法などからなることを述べ、最後に、システム産業の紹介や、システムエンジニアの役割を述べている。
|