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メキシコから世界が見える
地域研究とは国境線で囲い込まれた国の中だけを探ることではない。国境をまたがって人々が行き来して、2つの国の間に町ができれば越境する「地域」が立派な研究対象となる。
本書は、メキシコという「国土」のアメリカ合州国と接する「北」と、中央アメリカのグアテマラと接する「南」という2つの国境地帯に生きる人々がどんな事を考えて、どんな仕事をしていて、どんな夢をもっているのかをレポートしている。そこから見えるのは実に多様で、まさに歩いて、見て、食べて、話さないと見えてこない世界である。かといって本書はガイドブックではなく、人々との出会いの中で、グローバル化時代のより人間的な生活や労働とは何かを問うことを忘れていない。終章のフェアトレードの紹介はメキシコの先住民のコーヒー村と日本の消費者を結びつけようする地域交流の可能性を示唆している。
歩いて、そして帰国後インターネットで世界につなげていく。新しい地域研究の切り口を教えてくれる本である。
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