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Algebra
この本はalgebra (代数学) の教科書であって、通信制の学校で学ぶ人々のために書かれた教科書である。日本風に言えば、足し算や掛け算の性質という小学校低学年レベルの内容から書き始め、2次方程式の根の公式という高等学校1年生くらいの内容にまで到達している。私は今までに、これだけわくわくするような、面白い代数学のテキストに出会ったことが無い。ぜひとも日本の子供達にも紹介したい本の一つである。
代数学という数学は、a,b,c,・・・などの文字を使って、足し算や掛け算、引き算や割り算によって織り成される、数や関数のなす集合が持つ特質を議論する。個々の足し算や掛け算、引き算や割り算に興味があるのではなく、それらが何回か複雑に組み合わさった場合でも、これらを全体として支配し制御している「理論」があることを教え、そのような支配の原理を見つけようとする学問である。代数学に限らず、いろいろな数学の背後には必ずこのような理論があるのだが、日本の教育では、少なくとも高等学校まではこのような理論の存在を教えようとしない。教えても理解できないと、思い込んでいるからである。
149 ページからなる小さなこの本『Algebra』は、非常に分かりやすい例を引きながら、原理を納得させつつ、一歩一歩進んでいく。英語で書かれた数学の本は、こんなにも分かりやすいものかという意味でも、驚くべき読みやすさである。例えば1 ページ目を引用してみよう。
2. Exchange of terms in addition
Let's add 3 and 5: 3+5 = 8.
And now change the order: 5+3= 8.
We get the same result. Adding three apples to five apples is the same as adding five apples to three? apples do not disappear and we get eight of them in both cases.
私は実に深い感動をもってこの部分を読んだ。読者に語りかけるやさしい文章で、よく考えると非常に深い内容を得心が行くように説明できるのは、著者の持っている非常に良質で高級な数学の知識の故であろう。分からない単語が出てきたら、まずは辞書を引かないで、意味が分かるまで、前後の関係から意味を推測しながら読むことをお勧めしたい。
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