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ことばと文化
本書は長年版を重ねたロングセラーで、ことばと文化の関連をしっかりと教えてくれる。私たちは成長の過程で、その社会で慣行となっている言語使用の規範を習得する。それは社会の一員として、社会共通の感じ方、考え方、身の処し方を学ぶことであり、対人関係を良好に保ち、有意義な社会生活を送るのに大切なことなのである。つまり、ことばのなかに、社会の文化(認識と行動と表現の方法)が組み込まれているということである。
だから、文化が違うと、言い方もずいぶん違うことになる。イギリスで "Would you like some more cake?"(ケーキをもう少しいかがですか)に対して、"Thank you."(ありがとう)と言えば、"Yes."(いただきます)の意味になる。しかし、フランスで同じような場面で "Merci."(ありがとう)と言えば、"No."(けっこうです)ということになったりする。
英語でサンキュウが自然な場面でも、日本語では「すみません」が適切となることもある。なにかをしてもらって相手に感謝したいのだが、迷惑をかけたなと思えば、「ありがとう」よりも、「すみません」となるわけである。このような場合、日本人は英語を話すときでも日本語のルールにしたがって、アイアムソーリーとしがちである。本書には、日本語と英語の例がふんだんにあり、両方の勉強になる。
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