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トライアングル資本主義
著者の中尾茂夫氏は国際経済学の世界では異端の存在であるが、国際政治と絡み合う国際通貨の世界を描かせると他の追随を許さない。
本書は、これまでの研究を集大成し、日本、アメリカ、アジアをまたがるグローバリゼーションの姿をくっきりと浮かび上がらせている。文章は平明達意で、初学者にふさわしい。近年の多くの関係書籍が引用されているので、さらに読み進んでいく上でも便利である。著者は、アメリカを頂点に置き、アジアを底辺に据えて、日本はその中間に座るという旧来のピラミッド型世界観を批判し、国境を越えてネットワークを張り巡らすアジアのダイナミズムが、日本を抜きにして欧米と直接に連携しはじめていることを指摘する。そして、日本がその日米亜トライアングル資本主義の中で、中国や韓国をはじめとするアジア諸国と連携して東アジア共同体を形成していくというシナリオを提示し、そのために必要な国家戦略の確立を求めている。
強烈な問題意識を持って国際関係を勉強していきたいと考えている若者に勧めたい。
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