|
物理学読本 第2版
この本は、朝永先生の発案により、お弟子さんたちが分担して執筆した物理学の解説書である。力学、電磁気学、統計物理学、量子力学などいう物理学の学問的分類にこだわらず、物理学のいろいろな分野にわたる話題を選択してある。「月はなぜ落ちてこないのか」、「光が波であるとはどういう意味か」、「エネルギーの旅」、「電気振動」、「原子論の発展」、「原子内部の構造」、「量子の概念と物理学の将来」というような大きなテーマを示し、各テーマには関連する小項目を10程度設けている。これらの項目には、どのような実験事実が存在するのか、それらの事実からどのようなことがいえるのか、そこにどのような法則性があるのか、その結果をどのように発展させることができるのか、など読者が物理学を実践している臨場感を味わうことができる。
この本は、30年以上前に書かれた本ではあるが、この本自体で話題が閉じているので、「他の本をたくさん調べなければ理解不能である」といった不便さが感じられない。また、実験結果の図やイラストも多く、研究者の顔写真も豊富に載せてあるので、その分だけ親しみがわいてくる。最近の話題が載っていないとか、カラーを使っていないとかいうことが全然気にならない良書である。
|