|
上がれ! 空き缶衛星
この本を推薦したいポイントは二つあり、一つは書き方である。読んでいくと、内容は勿論のこと、NHKで好評を博した「プロジェクトX」を思い出す。大変歯切れよく書かれていて、流れが程よいテンポであり、読み始めるとつい最後まで吸い込まれるように読破してしまう。もう一つの魅力は、その内容にある。高校生や大学生がとてつもない夢と思っていたこと、つまり人工衛星を自分たちで作り、打上げたいと夢見ていたことを実際にやってしまった。自分たちでもやれば実現できるのだと体験した熱血学生の話である。
この手の成功話は他に多くあるが、著者は若者のひたむきなチャレンジ精神が自分達のモチベーションを高めただけでなく周囲の多くの人たちに感動を与えたことを強調したいと言っている。また、この成功話の裏には多くの苦労と失敗が隠れていて、その体験が彼らの今後の生き方に大きな肥やしとなることを理解してもらいたい。
この本の主役は東大生や東工大生だが、今や日本の多くの大学や高専の学生たちも後に続き、衛星やロケットを学生の手で製作して宇宙に夢を馳せている。誰でも努力と熱意があれば夢が実現できるのだというエキサイティングな本である。
|