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深層水「湧昇」、海を耕す!
生物学には生態学という分野がある。生物はそれだけで生きているのではない。環境と影響し合い、他の生物とも影響し合う。そういう環境−生物、生物−生物の関係を学ぶのが生態学である。
生態学の基本原理は「食う−食われる」の食物連鎖である。一方で、生態学のゴールのひとつは「持続可能な生物生産」である。そして、この本の中心テーマは美味しいマグロである。マグロ一匹が生きていくのに、どれだけの餌(サバ、サンマなど)が必要か、そして、そのサバ、サンマが生きていくのにどれだけの餌が必要か。逆にいうと、海に住む生物の数が全部わかれば、マグロの数も推定できる。マグロを絶滅させずに獲るには、どれくらいなら獲ってよいかもわかるだろう。ここまではふつうの海洋生態学。
この本がちょっと違うのは、海が生物をはぐく育む仕組みを解き明かしたうえで、その仕組みを改造してマグロを増やそうとまじめ真面目に説くところである。マグロのことはマグロだけではわからない。マグロの餌、そして、その餌を育む海のことを知らなければならない。同様に、海のことは海だけではわからない。山や川、森のことも考えて、総合的な観点からマグロを増やすのだ。こうして、人口が100億人に増えても(現在65億人)、みんなでマグロを食べるのだ。そもそも、この本のタイトルは『100億人がマグロを食べる日』だった、と著者の僕がここで初めて明かす。
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