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クマムシ?!―小さな怪物
ネズミより小さいクマムシという生き物がいる。体長は一ミリ以下である。ネズミより小さいので、もっとちょこちょこ動くかと思うと、のろのろ歩く。顕微鏡で見ると、八本足のクマがよちよち歩くような感じで、文句なくカワイイ!そこで、クマムシの分類や生態について調べてみようと思っても、手頃にまとめられた本がなかった。この本は日本初のクマムシ本であり、かつ、クマムシの魅力を十分に伝える誘惑本である。
僕のような生物学者には、クマムシといえば、乾燥すると「樽」という胞子のようなものになり、百年以上も死なないとか、高温にも超低温にも放射線にも耐えるとか、とにかく「最強の生物」というクマムシ伝説が知られていた。乾燥して「樽」の状態にしたクマムシに水をかけると蘇生する。樽を高温・超低温・放射線にさら曝しても蘇生する。しかし、百年の眠りからは蘇生しない、せいぜい九年が最長記録である。これまでのクマムシ伝説がひとつひとつ検証され、事実が明らかにされていくのも、この本の魅力である。
著者の鈴木忠さんは40歳になってからクマムシ研究を始めた。そのせいだろうか、鈴木さんは、クマムシの秘密を解明するというより、クマムシと楽しくつき合っているように思える。そんな鈴木さん直伝のクマムシの観察マニュアルが巻末にある。
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