|
原典 情報社会―機会開発者の時代へ
実は、「情報化」とか「情報社会」といった言葉は、いまから半世紀近く前に、世界に先駆けて日本人が創った。当時の議論の中で、いま読んでも感嘆させられるのが、増田米二さんの情報社会論である。増田さんは、コンピューターを見たことも触ったこともない中で、1970年代に独自の情報社会論を開拓し、まず英語で世に問うた。ヨネジ・マスダの名前は、情報社会論の先駆者として、世界的に有名だが、この本はその日本語版である。
この本は、いま読んでも新鮮だが、とりわけ興味深いのが、「情報ユーティリティ」と「機会開発産業」というコンセプトである。私は、最初読んだときにはこれらの言葉で増田さんが何をいいたいのか、なかなか理解できなかった。その後インターネットが出現するにおよんで、そうか、「情報ユーティリティ」とはこのことだったんだと合点がいった。「機会開発産業」の具体的な意味は、「プラットフォーム産業」の重要性が自覚され、とりわけ「Web 2.0」(これについては、前記の梅田さんの本に詳しい)の社会的な意義が明らかになってきた中で、そうかこれが増田さんの期待していた事態だったんだと(私は)気がついた。あなたはこの本を読んでどんな感想をもつだろうか。手間を惜しまず、ぜひ図書館に足をはこんで、この歴史的な著作の内容を自分の目で確かめてみてほしい。
|