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新化学読本―化ける、変わるを学ぶ
あえて極論すれば、化学が面白いのは物質の変化を扱うからで、個性的な化合物と特徴的な反応、それらが相まって起こる様々な変化に化学の魅力が潜んでいる。このような化学の本質的な面白さと重要性を種々の化合物の話題から解き明かしてくれたのが本書で、「毒の話」「薬の話」(中公新書)でも有名な著者が腕を振るった内容なので面白さも抜群である。
本書「新化学読本」の内容は、メタン、エチレン、アルコールといった個々の化合物についての説明から始まり、その集積から化学の全体像を導くように展開する。物質(化合物)や変化(反応)に興味をもつことで、はじめて化学を理解しようという気持ちが起こる、と著者は考えている。したがって、各化合物にまつわる話題を丁寧に記述し、その上で化学式や化学的理論からの説明を加えている。21個の化合物についての話題(全章)を読み終えると、化学は物質の変化を語る唯一の表現法であることに思い至るのである。
むずかしいと感じられる章は後回しにして構わない。エッセイとしても素晴らしい「まえがき」と「あとがきにかえて――『化』を『学』ぶ意味」をぜひ読んでいただきたい。博学多識なこの著者にしてこの一冊、という良書である。
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