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人間は脳で食べている
現代人の食におけるおいしさとは何か。著者は「情報」がおいしさに与える影響に焦点を当て、人間は結局、舌ではなくて頭でおいしさを作り上げていることをさまざまな具体例をあげて説き進める。「第1章 情報は最高の調味料」では私たちの食に対する清潔や不潔の感覚がいかに曖昧なものであるかを次々に暴露しながら、情報に依存した私たちの食生活の現状を明らかにしてゆく。現代人は、野生動物と違ってスーパーやコンビニに並んでいる食品をいちいち味見することなく安心して食べている。その根拠となっているのが、製造年月日や、賞味期限、あるいはメーカーの信用などの情報を駆使した安心感である。現代人は食品を購入する際に、安心を得るために情報を使うことを決断した。安全は確保されたが、五感は鈍くなった。賞味期限切れが腐敗と同義語になり、風評被害や食のパニックが蔓延する社会になった。食品のおいしさの一面を鋭く捉えた書である。
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