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リアル
自分にはどうしようもないことだけがいつもリアルだ。自分の力だけではどうしても変えられないものだけがいつも生々しく我々に迫ってくる。それが、野宮にとってみれば自分のせいで障害を受けた夏美であり、清春にとっての走れなくなった足、久信にとっての動かなくなった身体なのだろう。
『リアル』の中では、野宮の人生も、夏美の人生も、清春の人生も、久信の人生も、それなりの光を放っているように見える。しかし、それぞれの人物が自分の力だけではどうにもならないものを抱えているのもまた事実だ。是非、彼らと共にあるリアルなものに目を凝らしながらこの作品を読んでもらいたい。おのれの想像力をフルに働かせ、物語の間に見え隠れするものを捉えようとしながら読み進めて欲しい。夏美の身体のどこに何が起きて彼女はあの状態になったのか、彼女はまたいつか恋に落ちて子どもを生むことが出来るのか。清春の車椅子はどうしてあんな形なのか、彼と米さんの能力の差は何が原因か。久信はなぜ立位になるだけで気を失ったのか、彼は今後どんなふうに排泄を行なうようになるのか。
リハビリテーションの道に進んだ時、彼らと共にあるリアルなものがはっきりと目に見えてくるはずだ。そして、彼らと共にそのリアルなものと向かい合い、彼らが彼ら自身の手で人生を輝かせる手伝いを出来る職業があるとすれば、その一つがリハビリテーションの専門職であるだろう(現在1巻〜6巻まで刊行)。
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