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忘れても、しあわせ 認知症の義母と暮らして
これは平成6年から認知症の症状が出現した、ご主人の母親との生活を描いた本である。認知症がまだ「痴呆」と呼ばれており、介護保険も施行されておらず、世間には知られたくない病気の代表だったころの奮闘紀と言える。認知症の発症の様子や経過が作者のもと子さんの細やかな記録から手に取るようにわかり、患う本人の孤独や不安が臨場感たっぷりに読み取れる。サービスもままならない中での試行錯誤が、実を結ぶまでが事細かにわかる。愛情あふれる内容と文章は時々思わずほろりとさせられる。もと子さんのお義母さんへのかかわりは、大変適切なものだということにも驚かされる。もと子さんの対応はまさに作業療法そのもの。作業療法士だってここまで上手に対応できないかもしれない。
高齢社会日本は認知症の問題とは切っても切り離せない。作業療法士の認知症に対する役割も重要になり、今後はもっともっと求められていく。将来、作業療法士になりたい、高齢者に関わりたいと思っている皆さんにぜひ勧めたい一冊である。
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