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マツ枯れは森の感染症―森林微生物相互関係論ノート
日本では、山地のアカマツや海岸のクロマツが枯れ続けている。マツ枯れの発症と拡大の原因を著者の二井一禎氏をはじめ、多くの研究者が長年にわたって追求し続け、マツノザイセンチュウ感染から枯死にいたるメカニズムを究明した。
この本の内容は、科学者が調査や実験によって得たさまざまなデータに基づいてまとめられており、いわゆる専門書である。しかしながら、まったくの門外の人にもよくわかるように解説されており、科学の謎解きの面白さが随所で伝わってくる。森林科学は総合的な科学であり、さまざまな研究領域から成り立っているが、微生物研究は極めて重要なテーマのひとつである。本書はその大きな成果であり、科学者がどのような思いで謎に取り組み、マツ枯れという異常事態の解明に取り組んで行ったかが詳しく解説されている。時としてマスコミなどは、「マツ枯れが大気汚染や酸性雨などが原因となって引き起こされる」、との説を伝えることがある。しかしこの本を読めば、マツ枯れが実に巧妙なからくりに基づく感染症であることに納得せざるを得ないであろう。
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