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本多静六 日本の森林(もり)を育てた人
本多静六という名を聞いたことのない人でも、明治神宮の森を造った人といえば少なからず驚くことであろう。それほど明治神宮の森は自然の豊かな原生林のような景観となっており、人工林ということが信じられないほどである。本多は、江戸から明治にかけて荒廃し切った日本の森林の復興に大きな足跡を残し、日本の森林研究のさきがけとなった林学者である。彼は造林学を専門とし、当時の先進的なドイツ林学と林業技術を日本にもたらした。また明治神宮のほかにも日比谷公園など全国50ヶ所を超える公園の設計、各地の国立公園の設立など、造園学者としても日本の草分けとなった。
この本は、本多の生い立ち、苦学を重ねた学生時代、東京帝国大学を拠点とした活躍ぶりなど、彼の生涯を余すところなく紹介した伝記である。森林や林業の世界に生きた人物で、このような伝記が出版された例はきわめて少なく、それだけに貴重な読み物となっている。地球的規模での森林の危機が問題視されるようになった現在、およそ百年前に生きた森林の大先達の活躍の跡をたどってみていただきたい。私たちがこれからの森林に対して何をなすべきかの大きなヒントが得られるに違いない。
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