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雑穀博士ユーラシアを行く
“雑穀”というのは耳慣れない言葉かもしれない。“小鳥のえさ”と聞くと何となくイメージできるかもしれないが。日本ではヒエ、アワ、キビなどが有名な雑穀であり、“きびだんご”という岡山名物なら聞いたことあるという人が多いと思う。世界ではもっと多様な雑穀が栽培されていて、雑穀を主食としている地域もある。
このような雑穀を探して世界を歩き回り、その多様性や人々の生活との関わりを研究し続けているのが、本書の著者である阪本寧男(さだお)先生(京都大学名誉教授)です。本書では、さまざまな雑穀が、その利用法なども含めて紹介されているので、興味深い内容になっています。また、本書を特徴付けるもう一つのポイントは調査旅行です。本書にも書かれていますが、作物の多様性に関するフィールド調査は、大都市や観光地とは無縁で、むしろ現地の人々が普段着で生活している田舎の小さな村々を訪ねるのが常です。そこで繰り広げられている人々の暮らしとその一部を構成している雑穀について紹介されていますが、その端々に阪本先生のお人柄が投影されていて面白い読み物になっています。まだ見ぬ土地への旅は、それを考えるだけでもワクワクして想像力をかきたてるような魅力を持っていて、実は私もその魅力にとりつかれている一人です。
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