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はじめての法律学―HとJの物語
本書は、彼女を助手席に乗せて飲酒運転をしていた学生Hが女子学生Jをひき逃げしてしまい、Jがいわゆる植物状態になってしまったという設定で、そこで生ずる法律問題を解説している。まず、Hが業務上過失傷害罪、道路交通法上の通報義務・救護義務違反で起訴されたとして、犯罪や刑罰とは何か、刑事訴訟はどのように進められるかが示される。そして、当然、ひき逃げ事故を起こしたHは被害者Jに対する損害賠償責任(不法行為責任)を負うことになるが、さらに、Jが旅行会社のパックツアーに参加中に事故にあったことから旅行会社の契約上の責任が、また、J が運び込まれた病院の責任が扱われ、契約とは何かが問題とされる。話はまだまだ進んで、Jの母親が離婚していたことから離婚や親子関係の話に進む。そして、Jが以前、母親に「わたしに何かあっても生命維持装置はつけないでね」といった趣旨のことを言っていたことから、Jに生命維持装置を外してもらう権利があるのかという問題に進み、そこで民主主義とは何か、人権とは何かというテーマが扱われる。こんなふうにかなり我田引水的に話は進展していくが、それだけにわれの生活にかかわる法律問題が広く対象とされることになっている。
本書を通じて、われわれの生活がいかにすみずみまで法律によって支えられているかが理解されることになる。
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