|
日本の思想
政治学というと、西欧の輸入学問のように考えられがちだが、日本にも誇るべき古典がある。丸山真男は、20世紀の日本が生んだ最高の知性であり、政治学のみならず社会科学全般の貴重な遺産である。すでに死後10年以上たっているが、いまだに多くの丸山真男に関する書物が刊行され、論じられている。狭い意味では日本政治思想史の専門家だが、むしろ、政治思想を通じて日本の近代を鋭く切り取る、さまざまな切り口を示した。
『日本の思想』には、近代日本の学問と文化をヨーロッパの「ササラ型」と比較して「タコツボ型」と規定した「思想のあり方について」や、近代的な個人生成の論理をわかりやすく説いた「『である』ことと『する』こと」のような、日本人の思考パターンの秘密に迫る珠玉の論文が収録されている。
版を重ねて100万部以上出ているロングセラーで、英語訳・ドイツ語訳も出ている。「政治学」をうたった多くの書物よりも、はるかにわかりやすく、しかも高度で良質な政治学入門である。
|