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ディズニーランドという聖地
人間は自然が大嫌いな動物だ、などといったら誰でも驚く。でもあのディズニーランドには土がない。枯れ木も落ち葉もない。汚いはずのネズミは白手袋の紳士だし、本物と見まがうロボットの海賊やワニは絶対に入園者を襲わない。その入園者だって、ゴミを散らすことも、病人であることも許されない。そしてキャストはいつも上機嫌、笑顔でフレンドリー。つまりディズニーランドとは、動物も植物も人間も、本能も感情もこの世の不幸も運命も、あらゆる自然が排除され、すべてが人工的にコントロールされた徹底的反自然の理想郷なのだ。
こんな夢の国を作らせたのは、ウォルト・ディズニーの故郷の大自然。冬は酷寒、猛吹雪、夏は発狂者まで出る連日の砂嵐。人々は窓のない家を建て、外の恐ろしい風景とは正反対の田園風景の見える窓を描いたという。そんな大自然の中で育ったウォルトが作りあげた夢の国こそが、自然とは人が対決しコントロールすべきもの、という開拓者の国の価値観を反映した反自然の理想郷というわけなのだ。
でもそれが、自然との共存が伝統だったはずの日本人にも夢の国。だから文化人類学者が書いたこの本は、世界を席巻するアメリカ的価値観だけではなく、私たち日本人と自然とのかかわり方という大きな問題をも考えさせてくれるのだ。
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