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美学への招待
2004年まで東京大学の教授を勤め現在も学会の中心人物である著者が、美学をまだ学んだことのない人のために、山にこもって3週間で書き上げたというユニークな入門書。この本のいいところは、全体の議論がすべて身近に起こっている状況に対する素朴な感想や疑問から出発し、それを解きほぐしながら読者をしだいに本格的な思索に誘うというかたちで展開するという点です。
「身近な経験」として具体的に取り上げられるのは、「センス」「ミュージアム」「アート」「複製」「スポーツ」など。もしかすると、いまの高校生や大学生にとって、これらの話題は、とても「身近」などといえるものではないかもしれません。しかし、そのことにこだわる必要はありません。重要なのは、基礎さえしっかりとしておけば、いつの時代の「いま」にだって美学は充分に対応することができるということです。
この本を読み終えた人は、巻末に紹介されている文献に挑戦してみましょう。なかでも、同じ著者が、こんどはストレートに美学の基礎概念を解説している『美学辞典』がお奨めです。この『美学辞典』(ここでは「編集部の強い希望により」「芸」の字を使っていますが)を読めば、著者が「藝」の字にこだわる理由も理解できると思います。
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